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INPEX
セグメント純利益ベース / SOTP(PER方式)
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基本情報
SOTPモデルについて: INPEXはセグメント利益を「親会社の所有者に帰属する当期利益」で開示しています。 本モデルは各セグメントの純利益にPER倍率を適用し、株主価値を直接算出します。 PERは株価/EPS比率であり、純利益×PERで時価総額相当額が得られるため、BS調整(ネット有利子負債控除等)は不要です。
現在株価(円)
発行済株式数(百万株)※自己株控除後
計算手法: 各セグメントの「親会社帰属純利益 × PER倍率」で株主価値(≒理論時価総額)を算出。 セグメント利益は税後・金融費用後のため、PER適用で直接Equity Valueを得ます。 発行済株式数はFY25末:1,259,136,067株 − 自己株93,742,368株 ≒ 1,165百万株 を初期値としています。
セグメント別評価
利益ベースの選択について: FY25実績は Brent 平均 $70.69 / ¥149.60 環境下の数値です。 FY26会社予想は Brent $63 / ¥151 前提で連結純利益 3,300億円(▲16.2%)。 セグメント別FY26予想は非開示のため、実績値を手動で調整するか、下部の油価感応度テーブルを参考にしてください。
国内 O&G
南長岡ガス田、直江津LNG基地等。国内天然ガス供給が中心。 FY25実績:セグメント純利益224億円(前期比+64.3%)。売上原価減少が寄与。
セグメント純利益(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 8〜12倍(国内ガスユーティリティ比較:東京ガス ~11倍、大阪ガス ~10倍)
海外 O&G — イクシスプロジェクト
豪州の巨大LNGプロジェクト。全社利益の約7割を稼ぐ心臓部。長期契約メインだが油価変動の影響大。 FY25実績:セグメント純利益2,708億円(前期比+9.1%)。探鉱費減少が寄与。
FY25のイクシスセグメント利益には、INPEX Holdings Australia Pty Ltdの有償減資に伴い在外営業活動体の換算差額347億円を純損益に振替えた非経常利益が含まれます(決算短信 注記参照)。チェックONで控除します。
セグメント純利益(億円)
一時利益控除額(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 9〜14倍(Woodside ~9倍、ConocoPhillips ~12倍、TotalEnergies ~8倍)
海外 O&G — その他のプロジェクト
アブダビ油田権益、豪州(イクシス除く)、東南アジア、欧州等。多地域分散ポートフォリオ。 FY25実績:セグメント純利益1,317億円(前期比▲20.5%)。原油販売価格下落が影響。
セグメント純利益(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 10〜15倍(中東権益の長期安定性を加味。Shell ~8倍、但し権益構成が異なる)
その他(再エネ・CCS・水素等)
再生可能エネルギー・電力関連事業、CCS・水素事業等。先行投資段階で赤字。 FY25実績:セグメント純利益▲288億円。FY25探鉱・開発投資265億円。中長期の成長投資領域。
セグメント純利益(億円)
PER 倍率(倍)
評価方法
「損失額控除」= 赤字をそのまま減算 /「ゼロ評価」= 成長オプション価値で損失を相殺と仮定 /「カスタム」= 任意の評価額
全社調整・PBR / 還元データ
全社調整額(億円)
FY25: ▲24億円(為替差損益・全社税費用等)
全社調整の処理方法
FY24は+143億円。年度変動が大きく1倍加算は不整合の可能性
親会社所有者帰属持分(億円)
FY25末 BPS 4,073円
年間配当(円/株)
FY26予想 中間54円+期末54円
自社株買い予算(億円)
適宜入力(FY25実績:904億円)
油価感応度(億円 / $1 Brent変動)
FY25→FY26比較から推計 ≈80億円/$1
基準油価 Brent($/bbl)
FY25平均 ≈$70.69
PER方式の留意点: セグメント純利益にPERを乗じると「理論時価総額」が算出されます。 PERは株主資本コスト・成長期待を反映するため、ネット有利子負債の別途控除は不要です。 ただしセグメント間の資本構成差異(イクシスのPFレバレッジ等)により、EV/EBITDA方式のほうが理論的に正確な場合があります。

前提条件(FY26会社予想):油価 Brent $63/bbl、為替 ¥151/$、連結純利益 3,300億円、総還元性向50%以上目標。 累進配当方針(年間90円を起点)。
判定結果
SOTP理論株価(Target Price)
対現在株価 upside
株主価値
セグメント 純利益 × PER 株主価値(億円) 構成比
セグメント株主価値合計
全社調整額
SOTP株主価値合計(Equity Value)
実績PBR
配当利回り
総還元利回り
油価(Brent)シナリオ感応度
油価変動による連結純利益・理論株価への影響。E&P企業の株価を最も動かすファクター。 感応度係数(億円/$1)は入力値を使用。他の条件は固定。
Brent ($/bbl) NI増減(億円) 調整後NI合計(億円) 理論株価(円) 基準比
注意:油価感応度は連結ベースの簡易推計です。実際にはセグメント毎の油価エクスポージャーが異なり (イクシスはLNG長期契約中心、その他海外は原油スポット比率が高い)、為替変動も同時に影響します。 FY25→FY26:Brent $71→$63(▲$8)で連結NI 3,938→3,300億円(▲638億円)≈80億円/$1 を基準としています。
イクシス PER倍率シナリオ感応度
イクシスセグメントのPER変化による理論株価への影響。他セグメント・調整は入力値固定。 イクシスは全社利益の約7割を占めるため、倍率感応度が最も高い。
イクシス PER セグメント株主価値(億円) 理論株価(円) 入力値との差
PBR下限分析 — 資産面からの下値目処
E&P企業はPBR 0.6倍以下が歴史的な底値圏。BPS 4,073円ベースでのPBR別株価水準。
PBR水準 理論株価(円) 判定
ピア企業 PER 参考値
PER倍率設定の参考としてグローバルE&P企業・国内ガスユーティリティのフォワードPER概算値を掲載。 市場環境や資本構成の違いに留意してください。値は参考値であり最新値とは異なる場合があります。
Woodside (WDS)
~9倍
ConocoPhillips (COP)
~12倍
TotalEnergies (TTE)
~8倍
Shell (SHEL)
~8倍
東京ガス (9531)
~11倍
大阪ガス (9532)
~10倍
EV/EBITDA方式との比較: PER方式は簡便ですが、セグメント間の資本構成差異を反映できません。 イクシスはプロジェクトファイナンスで高レバレッジ、国内O&Gは低レバレッジです。 より精緻な評価にはEV/EBITDA方式(セグメントEBITDAにEV倍率を乗じ、ネット有利子負債を控除)を併用することを推奨します。