Invest Lab
Costco
PER / FCF-DCF / PEG — 複合バリュエーション(成長株対応版)
手法方法:
PER法(過去PERレンジ×コンセンサスEPS)
2段階FCF-DCF法(配当ではなくFCFを割引)
PEG法(高PERを高成長率で正当化できるかチェック)
基本情報・マーケットデータ
現在株価($)
EPS 5年成長率(%)楽天証券
Growth Quality Score
EPS成長率 + ROE / 2 (Target ≥ 20)
---
データソース: 楽天証券 米国株式ファンダメンタルデータ(コンセンサス予想はリフィニティブ提供)。 EPS・BPS・ROE・PER等は楽天証券掲載の実績値・予想値を使用。決算期は8月期。
株主資本コスト(Ke)— CAPM算出
CAPMモデル: Ke = Rf + β × ERP。COSTはβ=1.00と市場連動型であり、KO(β=0.35)と比較して高いKeとなります。 これによりFCF-DCFでの割引が適切に機能し、現実的な理論株価を導出できます。
リスクフリーレート Rf(%)米10年債
米国10年債利回り
ベータ β 楽天証券算出
楽天証券: 1.00
株式リスクプレミアム ERP(%)
Damodaran推計: 4.5〜5.5%
算出 Ke(株主資本コスト) ---%
Ke = Rf + β × ERP = ---
⚡ Ke = 9.25% の意味: COSTのβ=1.00は市場平均並みのリスクを反映。KOのKe(6.0%)より大幅に高く、 成長率とのスプレッドが確保されやすい。これにより2段階FCF-DCFが安定的に計算可能です。
バリュエーション手法
PER法(過去5年PERレンジ)— 主軸手法
COSTの過去5年PER推移(38.75〜53.86倍)を参考に適正PERを設定し、コンセンサスEPS予想に乗じます。 COSTは会員制モデルによる安定的な収益構造と高い成長率により、プレミアムPERが正当化される銘柄です。 ただし、直近2年のPER 53倍台は歴史的にも高水準であり、過度な楽観には注意が必要です。
Fair Value = EPS予 × 適正PER
EPS予想($)2026/08コンセンサス
楽天: 20.40
適正PER(倍)
5年レンジ: 38.75〜53.86 / 中央値: 約44.8
過去PER推移(楽天証券): 2021: 39.41 / 2022: 38.75 / 2023: 38.97 / 2024: 53.42 / 2025: 53.86 / 予想PER: 48.18
注:2024-2025年のPER急騰(38→53)は市場の成長期待上方修正を反映。中央値44.8倍は保守的アンカー。
2段階FCF-DCF法(Two-Stage Free Cash Flow DCF)
成長期(Stage 1):直近5年間はFCF成長率(推定)で各年のFCF/株を予測し、Keで割り引きます。
永久成長期(Stage 2):6年目以降は名目GDP成長率並み(3〜4%)で永久成長するとしてターミナルバリューを算出。
DDM(配当割引)の代わりにFCF(営業CF − 設備投資)を使用することで、不規則な配当政策の影響を排除します。
営業CF(百万$)2025/08実績
楽天: 13,335
設備投資 CapEx(百万$)推定
投資CF(5,311)の約94%
発行済株式数(百万株)
楽天: 443.24
Stage1 FCF成長率 g₁(%)5年間
EPS成長15%をやや保守化
Stage2 永久成長率 g₂(%)
名目GDP: 3.0〜4.0%
FCF/株(自動計算)
---
(OCF − CapEx) / 株式数
FCF/株(ベース年) $---
FCF推定の補足:COSTの投資CF(▲5,311M)にはCapExの他にも投資が含まれる可能性がありますが、 COSTの主要な設備投資は新規倉庫の出店・改装であり、投資CFの大部分がCapExと推定されます。 保守的にCapExを5,000Mとしています。
PEG法(Growth-Adjusted Valuation)
PEG = PER ÷ EPS成長率。ターゲットPEGから「成長率に見合った適正PER」を逆算し、理論株価を求めます。 成長株において高PERが正当かを検証する標準的手法です。 一般にPEG 1.0が「フェア」とされますが、COSTのような高品質成長株はPEG 2.0〜3.5が許容されます。
Fair PER = Target PEG × EPS成長率 → Fair Value = Fair PER × EPS予
EPS予想($)2026/08
楽天: 20.40
EPS成長率(%)5年CAGR
楽天: 15.09%
ターゲットPEG(倍)
COST品質: 2.0〜3.5
PEG法 算出適正PER ---
現在PEG: ---(実績PER 53.86 ÷ 成長率 ---%)
PEGベンチマーク: PEG < 1.5: 成長対比で割安 / 1.5〜2.5: フェアバリュー圏 / 2.5〜3.5: プレミアム(高品質株は許容) / > 3.5: 過熱注意
現在のCOST PEG ≈ 3.6:歴史的にも高水準。成長が鈍化すればPER圧縮リスクあり。
財務健全性チェック
売上高(百万$)2025/08実績
営業利益(百万$)2025/08実績
ROE(%)2025/08実績
自己資本比率(%)
加重平均ウェイト
3手法の加重平均で統合理論株価を算出します。COSTは安定PERレンジを持つためPER法を主軸に、 FCF-DCFで保守的フロアを設定、PEGで成長プレミアムの妥当性を検証します。
① PER法
%
② FCF-DCF法
%
③ PEG法
%
判定結果 — 統合理論株価
$
加重平均 理論株価(Composite Fair Value)
対現在株価 upside
Valuation Range
--- --- ---
手法 理論株価 ウェイト 寄与額 対現在株価
2段階FCF-DCF — キャッシュフロー詳細
① PER法 理論株価
├ EPS予: × PER:
② FCF-DCF法 理論株価
├ Stage1 PV(5年FCFの現在価値)
├ Stage2 PV(ターミナルバリューの現在価値)
③ PEG法 理論株価
├ PEG: × 成長率: % = 適正PER:
Ke(CAPM)
統合理論株価(Composite)
Quality & Safety Check
⚠️ COST特有の注意:営業利益率3.77%は一般企業では低水準ですが、 会員制ウェアハウスクラブのビジネスモデルでは正常値です。COSTの真の収益源は会員費収入であり、 商品は原価に近い価格で提供することで会員のロイヤリティを維持しています。
感応度分析 — FCF-DCF: 永久成長率(g₂) × Ke マトリクス
FCF-DCF法の理論株価が永久成長率(g₂)とKeの変化でどう動くかを示します。Stage1成長率(g₁)は入力値固定。 背景色付きセルは入力値の組み合わせ。緑=割安(現在株価+15%超)、赤=割高(現在株価−15%以下)。
PER感応度シナリオ
適正PER変化による統合理論株価への影響。過去5年PERレンジ内での感応度を確認できます。
適正PER PER法理論株価 統合理論株価 入力値との差
PEG感応度シナリオ
ターゲットPEG変化による統合理論株価への影響。
ターゲットPEG PEG法適正PER PEG法理論株価 統合理論株価 入力値との差
参考:DDM適用時の問題点
COSTにDDMを適用した場合の理論株価を参考表示。配当データの不安定性がモデルの信頼性を大きく損なうことを示します。
シナリオ 使用DPS 成長率 g DDM理論株価 コメント
結論:COSTの配当政策(特別配当の有無で年度DPSが$2.82〜$18.48と変動)により、 DDMの前提条件(安定配当成長)が成立しません。上記のように使用するDPSの選択次第で 理論株価が大幅に変動するため、DDMはCOSTのバリュエーションに不適切です。
ストラテジストの視点: