Invest Lab
三菱UFJフィナンシャル・グループ
銀行株 3手法バリュエーション / FY26通期予想ベース
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手法上の問題点: 銀行は貸出・有価証券・デリバティブを大量に抱え、レバレッジが 10〜20倍に達します。 PER × 純利益 はフロー(収益)のみを捉え、資本の質・充足度・持続性を無視します。
本ツールは銀行実務で広く採用される
① ROE/COE-based PBR法(Gordon Growth)② DDM法(配当割引)③ 事業セグメント別 SOTP の3手法を採用し、加重平均で理論株価を算出します。
初期値について: FY26 3Q累計(9M)実績を12/9倍で年換算して使用。 モルガン・スタンレー持分利益(9M: 5,829億円 → 年換算 7,772億円)は独立セグメントとして計上。 自己資本比率・CET1・信用コスト構造は含まれません。
基本情報
現在株価(円)
発行済株式数(億株)※自己株控除後
3Q末: 118.68億 − 5.33億(自己株) = 113.35億株
1株純資産 BPS(円)
3Q末 自己資本÷株数
年間配当予想 DPS(円)
FY26予想 (中間35+期末39)
通期 純利益目標(億円)
FY26目標値
ROE/COE-based PBR法(Gordon Growth Model)
目標PBR = (持続的ROE − g) ÷ (COE − g)  →  理論株価 = 目標PBR × BPS
銀行アナリストが最重視する手法。資本コスト(COE)を超えるROEが生む超過収益を現在価値化します。 ROE = COEなら PBR=1.0倍(純資産価値)、超過収益があればプレミアムが乗ります。 COEはCAPMベース(β≒0.9、ERP=8%、Rf=1.5%想定)。
持続的 ROE(%)
3Q実績11.55%から保守的設定
株主資本コスト COE(%)
β≒0.9 CAPM基準
長期成長率 g(%)
名目GDP成長率の長期平均
DDM法(Dividend Discount Model)
理論株価 = DPS₁ ÷ (COE − g)  →  定率成長配当割引
安定配当が見込まれる大手銀行に有効。MUFGは配当性向40%程度を維持しており、 増配実績(FY24: 64円→FY26予想: 74円)を踏まえた成長率を設定します。 COE と g の差(スプレッド)に非常に敏感なため、感応度表で必ずクロスチェックを。
来期 期待DPS(円) DPS₁
FY26: 74円 × (1+g) ≈ 76〜82円
DDM用 配当成長率 g(%)
純利益成長+増配実績ベース
セグメント別 SOTP(FY26 9M累計 → 年換算)
7事業本部別 営業純益 × PER → 事業価値合算 → BS調整 → 株主価値
MUFGの報告セグメント(7本部)別に倍率を適用。銀行系は安定収益型(低倍率)、 海外・資産管理系は成長プレミアム付与。モルガン・スタンレー等の持分法利益は別枠。 FY26 3Q累計を ×12/9 で年換算した値を初期値として設定。
リテール・デジタル事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 9〜13倍(安定リテール)
法人・ウェルスマネジメント事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 11〜14倍(富裕層・法人)
コーポレートバンキング事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 10〜14倍(大企業向け)
グローバルコマーシャルバンキング事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 12〜17倍(海外成長 Danamon/KBank)
受託財産事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 14〜18倍(フィー収入・AuM)
グローバルCIB事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 11〜16倍(非日系大企業向け)
市場事業本部
営業純益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 8〜12倍(市場変動ディスカウント)
持分法投資損益(モルガン・スタンレー等)
持分法利益 年換算(億円)
PER 倍率(倍)
推奨: 13〜18倍(MS時価をベンチマーク)
BS調整・控除
その他・本社費 年換算(億円)
3Q累計 ▲960億 × 4/3
非支配株主持分控除(億円)
3Q末 1,446,498百万円
のれん・無形資産控除(億円)
任意(のれん償却後は通常0)
SOTP算式: Σ(セグメント営業純益 × PER) + BS調整合計 ÷ 発行済株式数(自己株控除後)
少数株主持分を控除するのは、株主価値は 「親会社株主に帰属する部分」 のみであるため。
手法ウェイト設定(3手法の合計が100%になるよう調整)
① PBR法40%
② DDM法25%
③ SOTP法35%
判定結果
① PBR法
目標PBR: ―倍
② DDM法
配当利回: ―%
③ SOTP法
暗示PBR: ―倍
加重平均 理論株価(Target Price)
対現在株価 upside
現在PBR 倍 / 現在PER
③ SOTP 事業価値内訳
セグメント 年換算利益 倍率 事業価値(億円) 構成比
事業価値合計(Sum of Parts)
その他・本社費調整
非支配株主持分控除(▲)
のれん等控除
SOTP 株主価値
① PBR法 感応度表 — COE(列)vs 持続的ROE(行)→ 理論株価(円)
② DDM法 感応度表 — COE(行)vs 成長率g(列)→ 理論株価(円)